公認会計士に求められる英語スキルと勉強法・おすすめ書籍
実際に会計士業を行う上で英語が必須かと言われると必須とまでは言えません
しかしながら、実務において、特に監査法人では英語スキルが求められるシーンが割とあります。
公認会計士に求められる英語スキルと勉強法、私が実際に利用したおすすめの書籍についてまとめました。
優先順位は以下の通りです。
1.リーディング
2.リスニング
3.ライティング
4.スピーキング
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リーディング
監査法人においてチームによってはスタッフレベルから広く求められるのがリーディングです。
海外子会社の個別F/Sや当該個別F/Sに関する現地監査チームのレポーティングの理解、メンバーファームでの監査メソッドの原文を確認する等、年次の低いスタッフでも英語を読む力が求められます。
また、海外子会社の現地担当者や現地監査チームとのメールも英語で行うことが多いため、英文メールを読むことでもリーディングスキルが活きる場面もあるでしょう。
IFRSで開示しているクライアントを担当していれば、IFRSを原文で読むこともあるかもしれません。
一般的な英語の読解力も必要ですが、会計士業においては会計・監査に関する専門的な用語について英語で理解している必要があります。
専門用語については、なかなかこれまでの英語学習では習得していないと思いますので、実際に実務で触れながら勉強することになるでしょう。
私はEYが出している「英文会計のコミュニケーション」で勉強しました。
後ほどライティングの項目でも扱いますが、英語でメールを返信する際にも非常に役に立ちました。
英語学習を兼ねてU.S.CPA講座に申し込み、その資格の勉強を進めているスタッフもいました。
書籍を買うよりも高額にはなりますが、英語学習をしながら資格の取得もできるという点はやる価値があると思いますし、モチベーションも向上します。
リーディングスキルは監査法人での昇進や海外駐在の要件となるTOEIC対策でも有用です。
専門用語を英語でとなるとやはり別途勉強する必要がありますが、それ以外の一般的な文法や読解力については、TOEIC対策の本で勉強するのもありだと思います。
どのみちTOEICの点数も必要になるのですから、TOEIC対策・受験しながらTOEICの点数も高めていくと良いです。
TOEIC対策にはやはり「公式問題集」ですね。
こちらはリスニング対策にもなります。
英語のリーディングは低い年次から広く求められますので、まず伸ばしたいスキルです。
リスニング
年次の低いうちから求められるスキルとしては、リスニングよりもライティングの方が使う機会は多いと思います。
しかしながら、ライティングについては、スピーディなレスポンスが求められることが少なく、じっくりと時間をかけて行うことができることから優先順位は落ちます。
リスニングは主に海外子会社の現地の責任者や、海外メンバーファームスタッフとのWebミーティングの場で求められます。
そもそもそういった場に参加するということは、ある程度監査チームにおいても中核を担うようになってきていると思いますが、それぐらいになると海外往査にアサインされることも増えてきます。
その場合は生の英語を聴くことになります。
海外往査の際は通訳がアテンドすることもありますが、Webミーティングの場では自力で理解しなければいけません。
リスニング力を鍛えるには、当然英語を聴くことを繰り返して耳を慣らす必要があります。
ではひたすら聴けばリスニングできるようになるかと言われると、実際聞き流すだけでは難しいものがあります。
単語一つ一つは聞き取ることができても、イディオムになると発音が異なるパターンがあるため、そのようなパターンを知ることが必要です。
I love you.がアイラブユーではなく、アイラービューと繋げて発音したり、I’m twenty years old.がアイムトゥエンティイヤーズオールドではなく、アイムトゥエニーイヤーゾォーと音自体が変化したり発音しない音があったりと様々な発音のパターンがあります。
聴くことができるようになるためには、ある程度話し方を知っておく必要があるのです。
この「英語のハノン」はメインは文法の本ではありますが、タイトルに”スピーキングのための”とついていることもあり、発音にも重点を置いています。
よくあるCD付きの本ではなく、音声をブラウザで再生したり、スマホにDLしたりして簡単にデバイスで再生できる点が勉強のハードルを下げてくれます。
初級〜上級までありますので、自分の勉強のペースに合わせてステップアップしていける点も良いです。
書籍を購入しなくても音声の再生等はできるので、気になったら一度音声を再生してみても良いと思います。
ライティング
ライティングは海外子会社の現地担当者や現地監査チームとのメールを作成する際に必要です。
英語でレポーティングを求められる機会は少ないですので、基本的に英文メールが書ければ実務スキルとしては十分です。
ただし、海外駐在を目指している場合は、レポーティングスキルも必要になりますので、その場合は求められるライティングのレベルは上がります。
英文メールを作成する際は、ある程度時間の猶予があることが多いですので、上司や英語の得意な同僚にチェックしてもらう時間があります。
その点においてリスニングよりも優先順位は低いです。
Google等で翻訳して文章の基本を作成することもできます。
しかしながら、専門的な用語やメールでの自然な言い回しを参考にする上では、リーディングのところでおすすめした「英文会計のコミュニケーション」が役に立ちました。
また、TOEICではメールの文章が問題として取り扱われることも多いですので、TOEICの「公式問題集」をこなしていれば自然にある程度メールが書けるようになります。
スピーキング
スピーキングはミーティングや海外往査の際の話すシーンで必要です。
話せる方がもちろん良いのですが、大抵通訳担当がいたり、マネージャー以上の英語が堪能な上司が話してくれたりするので、優先順としては一番低いです。
とは言え英語が話せるようになると、海外旅行も不便なく行くことができ、世界が広がることは間違いありません。
スピーキングはとにかく話すことが大事です。
とにかく場数をこなして話す。
日本人は話すことが苦手です。
スピーキングは日本人が最も苦労します。
ですが羞恥心を捨てて話していれば必ず話せるようになります。
スピーキングはやはり英会話が最も効果的です。
「英語のハノン」で文法・スピーキングの基礎を固めた上で英会話を実践すると良いでしょう。
監査法人であれば提携している英会話教室があったり、英会話レッスンの補助があったりするのでそれを利用するとコストを抑えることができます。
提携や補助がないのであれば、24時間365日いつでもレッスン可能なDMM英会話がおすすめです。
毎日レッスンが受けられて月6,480円です。
レベルも10段階設定されており、レベルに合わせてステップアップしていくことができます。
公認会計士で英語ができると…
公認会計士で英語ができると、市場価値がさらに高まります。
公認会計士というだけで転職エージェントの求人案件は年収が高く条件が良いものが多いです。
そこにたとえばTOEIC700点以上といった付加価値がプラスされると、さらに案件の幅が広がります。
英語が自由に扱えるようになれば、駐在ではなく海外で直接雇用してもらうこともできます。
監査法人で出世していく上でも英語は必要です。
英語ができて損はありませんので、公認会計士試験合格後からでもすぐに始めることをおすすめします!