【会計士試験】会計士試験から撤退する場合どうするか

2022年12月16日公認会計士試験

今年の論文式試験の合格発表が11月18日(金)に行われました。
1,456人の新たな会計士の卵が誕生しましたが、その一方で試験から撤退を決めた受験生も多数いたことと思います。

会計士試験を諦める場合、その後どうするか。
私と同じ時期に受験していた友人の例も交えてお伝えしたいと思います。

税理士を目指して会計事務所で働く

私の友人で最も多かったのが、税理士試験にシフトして、働きながら税理士資格取得を目指すケースです。

税理士試験は社会人受験生も多く、元々税理士として独立するための会計士資格取得という友人もいましたので、会計士試験受験専念→働きながら税理士をという流れです。

働きながらの勉強ということで非常に大変なようですが、会計士試験と違って科目合格が一生涯ということで、1科目ずつの合格を目指して勉強しているようです。

友人ではまだ5科目合格はいませんが、3〜4科目合格しており、今年の税理士試験の合格発表待ちや、大学院進学を検討しているようです。
(大学院で修士論文が認められて学位を得ると、税理士試験の税法科目2科目が免除されます)

会計士試験で税法も勉強していますし、簿記論については財務会計論の勉強そのままで合格している友人もいました!
少し対策すれば簿記論については簡単に合格できるようです。
財務諸表論や税法の試験は、会計士試験とは若干毛色が違う部分もあるようですので、別途税理士試験の講座を申し込む方が合格の可能性は高まると思います。

一般企業に就職する

会計士試験のために勉強した内容は非常に実用的で、一般企業に就職した場合でも活用することができます。

一般企業でも経理・財務といった会計士試験で勉強していた内容を扱う部署もあれば、営業等試験勉強とは直接関係のない部署で活躍している友人もいます。

直接関係なさそうな営業職であっても、営業先の会社の財務諸表を見たり、営業において財務数値で説明したりと、会計士試験で学習した内容が活かされる機会も多いようです。

会計士試験に合格できなかったとしても、そのために頑張って勉強した内容は腐ることはありません!
とても有用な内容ですので、ぜひ今後の人生にそれを活かしていきましょう。

企業にもよりますが、会計士試験に合格して監査法人に勤めるよりも、一般企業に就職した方が給与面や福利厚生の面で良くなることも大いにあり得ます。
東京等首都圏であれば選択肢も多いと思います。

一般的にはエージェントを利用して就職活動すれば良いと思いますが、受験予備校によっては予備校に求人が貼ってあることもあると思います。
予備校のスタッフに相談してみるのも良いかもしれません。

完全に試験から離れても良いかもしれませんが、個人的には日商簿記1級の取得は目指してみても良いのではないかと思います。
簿記系最高峰の難易度の日商簿記1級ですが、会計士試験の勉強とそう遠くありませんので、きちんと対策すれば取得は難しくないのではないでしょうか。
2級合格者はたくさんいますが、1級合格者はほとんど出会ったことがありません。
日商簿記1級も狭き門ですので、持っているとアピールできます。

コンサルティング会社に進む

会計士資格を取ってお金持ちになりたい!と思って会計士試験を目指していた人は多くはないかもしれませんが、稼ぎたい!というのであればコンサルティング会社に進むことをおすすめします。
会計士の転職先としても挙がるコンサル会社ですが、給与面で監査法人よりも良い待遇であることも多いです。

会計士試験で学習した内容は、コンサルティング業務を行う上でも役に立ちます。

コンサルタントになってバリバリ働いて稼ぎたい!という人におすすめです。

公務員試験を目指す

会計士試験を撤退した友人の中には、公務員試験にシフトした人もいました。

公務員試験には年齢制限があるため、誰もが目指すことができるわけではありませんが、近年では年齢制限も緩和傾向にあるようで、受験生の年齢幅も広くなっているようです。

特に地元での就職を希望する人にとっては、全国転勤等がない地方公務員は魅力的かもしれません。

公務員試験は会計士試験とは全く異なった試験であるため、別途試験勉強を始める必要があります。
しかしながら、会計士試験ほど厳しい試験ではない(国家一種等を除く)ようで、会計士試験の合格はできなかったものの、公務員試験には合格して採用された友人もいました。

起業する

会計士試験で勉強した内容は何をするにしても実用性が高いです。
それは起業する場合でも同じです。

経営していく上では、財務会計はもちろん、原価計算・管理会計についても非常に重要です。
会社を作るのであれば企業法の内容も活かすことができますし、何をやる上でも監査論のリスク・アプローチは役に立ちます。
個人でも会社でも納税は義務ですので、租税法だって使うことになります。

どういった事業で起業するか?は、個人のスキルであったりアイディアであったりで異なりますし、それが上手くいくかもわかりませんが、起業して経営していく上では、会計士試験で学習したことは必ず役に立ちます。

会計士試験を撤退したからといって恥じることはない

会計士試験に合格しても、会計士試験を諦めても、いずれにしてもそこで終わりではありません。

その後どのような選択をしてどのような人生を歩むか。
会計士試験の勉強内容は自分次第でどうにでも活用することができます。
公認会計士を目的でなく、手段の一つとして捉えることができれば、会計士試験から撤退してもなりたい自分を追い続けることができると思います。

自分がどのようになりたいのか?を実現するためのその時点で最も良いと思う選択をしていただけたらと思います。