【公認会計士試験受験生向け】監査法人勤務の本音
公認会計士試験合格後、多くの試験合格者は監査法人に進みます。
私もそうでした。
BIG4の一つに進み、5年弱を監査法人で過ごしました。
会計士人生のスタートを監査法人で切れたことは今でも良かったと思ってはいるのですが、監査法人に居続けることは私に取っては無理でしたので退職しました(笑)
なぜ退職したのか、監査法人のどこが嫌だったのかという個人的な本音の部分についてお伝えします。
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労働時間が長かった
とにかく残業が多かったです。
それが監査法人を辞めた一番の理由です。
スタッフ1〜2年目では残業代もフルに出ていたわけではなかったので不満がありましたが、その点については後にフルにチャージできるようになり解消されました。
ですので、シニアスタッフまでであれば働いた時間分ちゃんと給与をもらうことができます。
監査法人の基本給は高い方ですので、残業代がフルにつくと1,000万円を超えるスタッフもいます。
繁忙期はここに書けないぐらいの時間残業していましたし、土日祝日もフル出勤の日々でした。
私が仕事できない人間だったのかもしれませんが、その時期は私に限らずチーム全員深夜まで残業していました。
毎日早朝から深夜まで働いて、それがしばらく続くと、だんだんと感覚が麻痺して普通に働けるようになっちゃいます。
ですが、そんな中1日休みをもらってしまうと、逆に心に穴が空いたように急に仕事に対する気持ちがなくなってしまいました(笑)
そうは言ってもやらないとどうしようもないので、仕事モードに切り替えざるを得なかったのですが。
毎年繁忙期を経験していく中で、これあと何年続けられるんだろう?
40代、50代になっても続けられるのだろうか?
そう考えた時に、あまり長くいるべきところではないと思いました。
そう思い始めてから退職・別の道を考えることになりました。
私が監査法人を辞めた後、監査法人も随分と働き方改革が進んだようで、現在では繁忙期でもそこまで残業がないようです。
私もお世話になった先輩から、「ホワイトになったから監査法人に戻ってこないか」と何度も声をかけられています(笑)
やりがいが感じられなかった
クライアントにもよりますが、監査法人を敵対視しているクライアントもあります。
クライアントからしたら、報酬を払っているのに、間違いや粗探しをしてくるなんて敵だという扱いです。
我々監査人の仕事は、誤った情報が広く知れ渡ってしまう前に指摘をすることですが、「公表される前に見つけてくれてありがとうございます」というクライアントは必ずしも多くはありません。
かと言って世の中の投資家をはじめとする利害関係者が、監査人に対して「全体として重要な虚偽表示のない適正な財務諸表であるという監査意見を表明してくれてありがとう」と思っているかというと、利害関係者にとってはそれが当たり前のことですので、改めて感謝の気持ちを持たれることもありません。
誰かから感謝されることが仕事の全てではありませんが、私の仕事観としては感謝してもらえる誰かのために仕事をしたいというのがあったため、誰かから感謝されることが少ない監査業務はやりがいが感じられませんでした。
指摘事項を発見した時には、先輩や上司から褒めてもらったり感謝の言葉をもらったりすることもありましたが、私のモチベーションとしてはそれでは不十分でした。
また、いくら指摘事項を発見したとしても、それが監査意見に影響を及ぼさない程度のものであれば、修正する・しないはクライアントの自由でした。
せっかく監査手続を実施して発見した指摘事項であっても、重要性がなければ修正しないということで、何も無かったことになってしまうのです。
これもモチベーションが下がる要因でした。
出張が多かった
出張もはじめのうちは楽しかったのですが、慣れてくるとただただキツいだけでした(笑)
普段行かない地方や海外ですと多少はテンションも上がりましたが、いつも行く地方だと出張先での食事の店もパターン化してきて楽しみも薄れていきました。
最近ではリモート監査や、現地の事務所に引き継いで担当してもらうようにもなっているようですが、私の時は泊まり出張が多く家に帰れない日も多かったので、これも退職の理由の一つになりました。
また、出張が続くと、休日も疲れて寝て過ごしてしまう日が多くなりがちでした。
ただ出張していると、出張の手当(宿泊日当等)もつきますし、年次が低いうちは先輩・上司が食事をご馳走してくれていたので、お金の面では貯まりやすかったです!
監査以外の他のことをやってみたかった
監査は公認会計士の独占業務ですが、公認会計士は監査以外のこともできます。
せっかくいろんなことができる会計士資格を取得したのだから、監査以外のこともやってみたい!と思うようになりました。
BIG4であれば系列の税理士法人やアドバイザリーやコンサルの別会社もありますので、私が退職の相談を上司にしに行った際も、系列の他の会社を勧められました。
その点において、監査法人から系列の会社に移るのであれば転職活動も大変じゃないですね。
もちろん監査法人内でも、さまざまな業務を経験することができます!
監査といっても、金商法・会社法監査のみならず、金融機関、地方自治体等の公会計や学校法人等、さまざまな監査対象・手法があります。
私の場合は監査業務以外のことやりたかったのですが、結果として税務をやることになりました。
監査法人勤務のメリットもたくさんありますが、監査法人のここが嫌だったという点について書いてみました。
ですが、会計士キャリアのスタートは監査法人でというのは今でも思いますし、とりあえず独占業務である監査をやってみて良いと思います。
私は監査法人が嫌で辞めましたが、現在も監査法人に残っている同期や先輩・上司とは仲が良く、今でもたまに会っています。
どのようなキャリアを歩むかは自分次第ですが、どのような道であっても良いご縁があることを願っています!
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