NISAを満額できないと損?積立額は「みんなの金額」より家計で決めよう

お金の勉強

SNSを見ていると、「NISAに毎月10万円」「今年も枠を全部使いました」といった投稿が目に入ります。

自分は月5,000円しか出せない。これでは意味がないのかな……と思ってしまう方もいるかもしれません。

でも、他人の積立額は、その人の家計の一部しか見せていません。収入も、貯金も、家族構成も違います。まずは、自分が続けられる金額を考えてみましょう。

白い貯金箱と硬貨。家計と貯蓄を考えるイメージ
写真:Sasun Bughdaryan / Unsplash(無料素材)

NISAの枠は「ここまで使える」という上限

2026年の成人向けNISAでは、年間投資枠はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円です。合計すると年360万円。非課税保有限度額は取得金額ベースで1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までです。

この数字だけを見ると、かなり大きいですよね。ただし、枠を使い切ることは、投資を始める条件ではありません。

使わなかった年間投資枠は翌年に繰り越せませんが、だからといって家計を無理に合わせる必要はありません。非課税で持てる期間は無期限です。制度の概要は金融庁のNISA特設サイトで確認できます。

積立額を決める前に、お金を3つに分ける

私は、まず「いつ使うお金か」を分けて考えるのが分かりやすいと思います。

  • 毎月使うお金:家賃、食費、通信費など。
  • 近いうちに使う・急に必要になるお金:引越し、家電の買替え、病気や収入減への備えなど。
  • 当面使う予定のないお金:長い期間、値動きを受け止めながら運用を考えられるお金。

NISAで投資を考えるのは、主に3つ目です。制度が非課税でも、投資先の価格は下がることがあります。近く使う予定のお金まで投資すると、下がっているときに売らざるを得なくなるかもしれません。

現金をどのくらい残すかは、雇用の安定性や扶養家族、毎月の固定費によって違います。会社員と、収入に波のあるフリーランスでは、同じ金額にはなりません。

「今月余った分」をそのまま積立額にしない

例えば、毎月の手取りが25万円、いつもの生活費が21万円なら、差額は4万円です。ここで「毎月4万円投資できる」と決める前に、毎月は払わない出費も確認しましょう。

仮の家計の例月あたり
手取り−いつもの生活費40,000円
年払い・家電買替えなどへの積立15,000円
現金の備えを増やす分15,000円
長期の投資に回す候補10,000円

これは配分の一例で、月1万円をおすすめするものではありません。現金の備えが足りなければ、いったん投資を見送る選択もあります。反対に、十分な備えがあるなら配分は変わります。

ボーナスや好調だった月の副業収入がなくても続くか、という見方もしておきたいですね。

下がったときに困る金額ではないか

積立を始める前に、「評価額が下がっても生活費に困らないか」を考えてみてください。少額でも、気になって仕事が手につかないなら、金額や投資先を見直す余地があります。

NISAは利益などが非課税になる制度で、元本や利益を保証するものではありません。また、NISA口座の損失は、課税口座の利益と損益通算したり、翌年以降に繰り越したりできません。取扱いは国税庁の損益通算・繰越控除の説明(注3)も確認してください。

積立額を増やすのは、家計を見てからで大丈夫

まず家計に合う額で始めて、3か月ほど生活してみる。年払いの支出や急な出費も確認したうえで、増額できそうなら考える。このくらいの順番でもよいと思います。

節約して投資額を増やす場合も、続かない我慢を増やしすぎないこと。節約にかける時間についての記事でも書いたように、お金だけでなく生活や時間も含めて考えたいところです。

副業の収入を積み立てる方は、税金用のお金を忘れずに。ブログ収入の確定申告の記事では、申告を考えるときの基本を整理しています。

満額かどうかより、生活を崩さず続けられるか。SNSの大きな数字に焦ったときは、一度、自分の家計に戻ってみましょう。

制度・資料の確認日:2026年10月21日。税金は収入や働き方などによって取扱いが変わります。

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