ブログ収入は入金時に売上にしていませんか?ブロガーの確定申告と経費の注意点

2026年10月21日確定申告

ブログで少しずつ収入が出るようになった。そろそろ確定申告のことも考えなければいけない。

ですが、何を集計すればいいのか、どこまで経費にしていいのか、迷うこともあると思います。

確定申告というと経費に目が行きがちですが、売上をいつ、いくら計上するかも大事です。銀行に振り込まれた金額を足すだけでは、その年の収入を正しく集計できないことがあります。

今回は、個人でブログを運営している方向けに、売上と経費で気をつけたいことを書いていきます。

2026年10月20日時点で確認できる制度に基づいています。個人の所得税を中心とした説明です。

電卓とノートを置いたデスク。ブログの収入と経費を整理するイメージ
写真:Cht Gsml / Unsplash(Unsplash License)

ブログで稼いだら、必ず確定申告が必要?

まず、ブログ収入がある人全員に、所得税の確定申告が必要というわけではありません。

例えば、給与を1か所から受けて年末調整をしており、給与収入が2,000万円以下で、給与・退職所得以外の所得の合計が20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。

ここで見ているのは、売上ではなく、必要経費を差し引いた所得です。

ブログの年間収入が30万円、必要経費が12万円なら、差し引き18万円。他に副業の所得があれば、それも含めて考えます。ブログだけで20万円以下ならいい、という話ではありません。

また、医療費控除などのために所得税の確定申告をする場合には、20万円以下の副業所得も一緒に申告します。会社員以外の方に、この20万円の基準をそのまま当てはめることもできません。

所得税の申告が不要でも、住民税の申告は別です。所得税の確定申告をしない場合には、お住まいの市区町村の案内を確認してください。

参考:国税庁・給与所得者の申告不要制度/横浜市・副収入がある場合の住民税の申告

売上は、入金された日だけを見ない

アフィリエイトでは、報酬が一定額に達しないと振り込まれないことがあります。

まだ振り込まれていないから売上はゼロ。そうしてしまうと、計上が漏れることがあります。

原則は、報酬を受け取る権利が確定した時点で収入にするという考え方です。振込日と同じになるとは限りません。

例えば、契約上12月に報酬1万円が確定していて、振込が翌年2月になる場合。原則として、その1万円は12月のある年の収入になります。

一方、管理画面に「発生報酬」と表示されていても、承認前で取り消される可能性があるなら、確定報酬とは分けて考える必要があります。ASPごとの契約や承認条件も確認しましょう。

AdSenseにも推定収益額と確定額があります。画面に出た数字を何でも売上にするのではなく、明細と契約に照らして、収入にする金額と時期を確認することが大切です。

振込手数料も見落としやすいところです。例えば、報酬1万円から自分が負担する手数料200円が引かれて9,800円振り込まれた場合には、売上1万円と手数料200円を分けて記録します。

現金主義の特例を使う場合は別

ただし、入金時に計上する方法がすべて間違いというわけではありません。

一定の要件を満たす青色申告者や、業務に係る雑所得については、現金主義の特例があります。例えば業務に係る雑所得では、前々年の収入金額が300万円以下の場合に選択でき、確定申告書への記載も必要です。

自分がどの所得区分で、どの方法を使っているのかを先に確認しましょう。都合のいい年だけ売上を翌年に回す、という使い方ではありません。

参考:国税庁・収入金額とその計算/雑所得と現金主義の特例/Google・収益と支払いの違い

ブログの経費にできるもの、気をつけたいもの

ブログに必要な支出であれば、経費になるものはあります。ただし、ブログで紹介したものが、何でも全額経費になるわけではありません。

サーバー代、ドメイン代、書籍代など

ブログ運営に使うサーバーやドメイン、記事を書くための資料代などは、経費の候補になります。自分の生活のための支出とは分けておきましょう。

サーバーを数年分まとめて契約した場合は、支払額をそのまま全部その年の経費にしてよいか、確認が必要です。原則は対応する期間に分けて考えます。短期前払費用などの扱いもありますが、「少額だから何でも一括でよい」とはしない方がいいです。

自宅の家賃、電気代、ネット代

自宅で記事を書いている場合、仕事と生活の両方に使う費用も出てきます。

こうした費用は、仕事に必要だった部分を明らかに区分できる場合、その部分を経費にします。面積や使用時間など、実際の使い方に合った基準で分けることになります。

「とりあえず半分」では、後から理由を聞かれたときに困ります。何を基準に、その割合にしたのかをメモしておきましょう。持ち家の場合は、家賃と同じ考え方で住宅ローンの返済額を経費にできるわけではない点にも注意してください。

レビューする商品、飲食代、旅行代

ここは特に、仕事と私生活が混ざりやすいところです。

普段使うために買ったものをブログでも紹介した。それだけで全額を経費にできる、と考えるのは無理があります。

商品を買った目的、記事との関係、その後の使い方などを整理して判断します。ブログを書くためにカフェを利用した場合も、仕事との関係を説明できるようにしておきましょう。

家族との外食や旅行について、写真を記事に載せたから全額経費、という扱いにはしません。領収書があるかどうかだけでなく、何のための支出かを確認する必要があります。

参考:国税庁・必要経費の知識

パソコン代は、金額と取得時期を確認

ブログ用にパソコンを買った場合、金額によっては一度に経費にせず、減価償却で何年かに分けて経費にします。

主な扱いは次のとおりです。以下は業務に使うパソコンの説明で、私用分があれば分けて考えます。

取得価額など主な扱い
10万円未満原則として、業務で使い始めた年に経費にする
10万円以上20万円未満通常の減価償却のほか、要件を満たせば3年間で均等に経費にする方法もある
一定の青色申告者の少額資産要件を満たすと、年間合計300万円を限度に、使い始めた年に経費にできる特例がある

最後の特例は取得時期に注意してください。2026年3月31日までの取得は30万円未満、2026年4月1日以後の取得は40万円未満が金額基準です。現行の適用期限は2029年3月31日です。

青色申告なら誰でも無条件に使えるわけではなく、対象者や申告の要件もあります。また、金額を税込・税抜のどちらで判定するかは消費税の経理方式によります。免税事業者は税込で考えます。

参考:国税庁・減価償却のあらまし

開業届を出せば、必ず青色申告にできる?

ブログの所得が事業所得か雑所得かは、開業届を出したかどうかだけで決まるものではありません。活動の規模や継続性、営利性、帳簿の保存など、実態から判断します。

「売上300万円を超えたら事業所得」「帳簿があれば必ず事業所得」と、数字や形式だけで決めることもできません。

雑所得には青色申告の制度はありません。事業所得として青色申告をする場合も、開業届とは別に青色申告承認申請が必要です。原則として、その年の3月15日まで。1月16日以後に新たに事業を始めた場合は、開始日から2か月以内が申請期限です。

また、雑所得の赤字を給与所得から差し引くことはできません。「ブログの経費で会社の給料の税金を減らせる」と安易に考えないようにしましょう。

参考:国税庁・事業所得と業務に係る雑所得の区分/青色申告制度/雑所得

明細と領収書は、後から探さなくて済むように

売上も経費も、申告の時期に1年分を集めようとすると大変です。

毎月、ASPやAdSenseの明細を確認し、領収書と一緒に整理しておきましょう。入金待ちの報酬や、差し引かれた手数料も確認しておくと、年末に慌てずに済みます。

電子取引データの保存義務がある方は、メールやサイトで受け取った請求書・領収書を紙に印刷するだけではなく、データでも保存する必要があります。検索や改ざん防止などの保存要件と、適用できる緩和措置も確認してください。

ファイル名に日付・取引先・金額を入れて、保存場所を決めておくだけでも、探す手間は減らせます。ただし、ファイル名を付ければすべての要件を満たす、というわけではありません。

参考:国税庁・電子取引データの保存

稼げるようになってから、ではなく今のうちに

始めたばかりで収入が少ないと、経理は後回しになりがちです。

ですが、収入が増えてから何年分もの明細を探すより、今から少しずつ整理しておいた方が楽です。

まずは、確定した報酬、経費、まだ入金されていない金額を確認するところから始めましょう。現金主義の特例を使う場合は、その方法に合わせて記録します。

ブログにいくら使って、どれだけ残ったのか。それが分かれば、税金のためだけでなく、これからブログをどう運営していくかも考えやすくなると思います。