【税理士独立】共同(間借り)事務所のすすめ

2022年12月19日税理士

税理士として独立開業するには、共同(間借り)事務所がおすすめです!

独立税理士として開業するためには、事務所が必要です。
税理士法第40条に事務所設置義務について書かれており、税理士としてやっていく上では必要不可欠なものです。
実際に開業税理士としての登録を行う際にも、事務所の住所は必須項目となっています。

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事務所住所は公開される!

しかしながら、事務所をどこにするかについては気を付けたい点があります。
それは、事務所として登録した住所が公開されてしまうということです。
自分のHP等で公開しているわけではなくても、否応なしに公開されてしまうのです!

これは、税理士登録した際に、日本税理士会連合会というところの税理士名簿に記載されるのですが、そこで税理士の検索ができるようになっています。
この税理士検索をした際に、事務所の住所も記載されているため、住所が公開されてしまうということです。
ちなみに公認会計士の場合は、「東京都〇〇区」や「神奈川県〇〇市」というように、詳細な住所までは公開されていません。

別に住所が公開されても気にならないという人もいるかもしれませんが、自宅兼事務所ということで自宅住所を登録している場合には、自宅の住所がオープンになってしまうのです。
家族がいる等で自宅住所を公開したくない人にとっては非常に迷惑な話です。

独立税理士として開業するにあたっては、なるべく初期投資を抑えたいと考えるのは当然です。
ですので最初は自宅で…というのはよくある話ですが、可能であれば共同(間借り)事務所を検討してみてはいかがでしょうか。

先輩や友人の税理士事務所のスペースを安くで貸してもらうのです。

リスクはないの?

ここで、それって税理士法上大丈夫なの?と思われた人もいるかもしれませんが、税理士法上は事務所として守秘義務が保てるようになっていれば特に問題ないとのことです。
具体的には互いの執務スペースがそれぞれ部屋で分かれていたり、部屋の構造的に分かれていないのであればパーテーション等で仕切ったり、鍵のかかるキャビネットを用意して資料を閲覧できないようにする等です。
私自身、開業税理士として独立する際に間借り事務所で開業し、その際に税理士会には何度も確認したので税理士法上のリスクはありません

ただ、間借りということで、転貸借契約書は結ぶべきです。
これは、通常の賃貸借契約でも必要なことですし、万が一トラブルになった場合も考えて、省略して良いものではないと思います。
また、もともとの貸主にも確認して、事務所設置および転貸借に関する合意を取る必要があります
先輩や友人がすでに事務所設置しているのであれば、事務所設置に関する合意は難しくないと思います。
転貸借に関しても、通常の賃貸借契約の内容を守る、トラブルの際は転貸借にかかる双方で解決する、といった覚書等を交わしておけば合意してもらえるでしょう。

間借りでコストを抑える

最初から事務所を単独で借りる場合、多くの場合敷金・礼金や保証料や鍵交換代といった諸々の費用で数十万円になります。
しかしながら、間借りする場合は、事務所スペースを貸してくれる先輩や友人税理士との取り決めによりますので、条件によってはかなり安い金額で事務所スペースを確保することもできます。
双方が合意すれば使用貸借(無償)で借りることもできます(税理士登録の書類でも使用貸借に該当する場合の記載項目があります)。

独立後間もない場合はクライアントも少なく、事務所にクライアントが来所することも少ないと思います。
そもそも面談が来所スタイルではなく訪問スタイルであれば、事務所にクライアントが来所すること自体ありません。
また、最近では直接面談せず、Zoom等を利用してオンラインでの打ち合わせも増えてきていると思います。
そういった場合には、綺麗な事務所や打ち合わせスペースを確保した広い事務所は必要ないでしょう。

税理士として独立する場合には、ぜひ間借り事務所も検討してみてはいかがでしょうか。

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