独立公認会計士の仕事

2022年12月12日公認会計士

監査を独占業務として持つ公認会計士ですが、監査の特性上一人で業務を遂行することは難しく、監査業務は複数の公認会計士で一緒にやる必要があります。

ですので公認会計士として独立する場合は、監査業務以外の業務でやっていくケースが多いです。

公認会計士が独立してやる仕事としてはどのようなものがあるかまとめました。

税理士業務

自身もそうであり、先輩会計士を見ていても、独立する会計士は税理士登録も行って、税理士業務をメインに生計を立てている人が多いです。

税理士は税務代理等が独占業務としてありますが、会計士の監査と異なり、大規模な法人等でなければ基本的に一人で担当することができます。

公認会計士試験では租税法科目において法人税・所得税・消費税の勉強は一通りやりますので、実際の実務においてもそれらの税法関連ではあまり苦労することはありません。
むしろ、試験に出るような別表調整なんて実務上はほとんどの会社で出てこないので、実際の申告書作成はソフトがほとんどやってくれるということもあり何も難しくありません。

会計士監査では重要論点である引当金についても、税務会計が主となっている中小企業においては、せいぜい貸倒引当金と賞与引当金ぐらいしか出てきません。
そのため決算処理についても、会計士であれば特に手こずることはないと思います。

それに加えてここでも書いたように、税理士試験では勉強しませんが、会計士は経営者が気になる・話したい管理会計等についても修得しているため、経営者のさまざまな相談に乗ることができるということもあり、顧客満足度を高めることができます。

一人でやれる、ごまんといる他の税理士と比べても戦っていけるということで、独立会計士の多くが税理士業務をやっていくのでしょう。

コンサルティング業務

税理士業務の次に多いと感じるのがコンサルティング業務での独立です。

経営コンサル・IPOコンサル・M&Aコンサル・内部統制コンサル等、さまざまなコンサルティング業務を担うことができます。

コンサルティング業務自体は基本的に資格がなくても可能ですが、公認会計士であればコンサルティングに必要な幅広い知識や、さまざまな企業を監査してきた経験を活かすことができます。
クライアントとしても、特に資格がないコンサルタントよりも、公認会計士であるコンサルタントの方が、第一印象としては良いのではないでしょうか。

監査業務

税理士業務やコンサルティング業務でやっていく独立会計士が多いですが、監査業務でやっていく独立会計士もいます。
監査業務といっても幅広く、監査法人が行う金商法・会社法監査はもちろん、企業の監査役も含まれます。

監査法人でパートナーあたりまで務めた会計士であれば、クライアントから社外を含む取締役や監査役になってくれと依頼されるケースがあります。

法改正により社会福祉法人の法定監査の範囲が拡大されましたが、社会福祉法人等の小規模なところが対象であれば、少数の会計士でも監査を実施することができます。

また、監査法人では慢性的な人不足から、業務委託制度が存在しています。
監査法人を辞めた会計士等に対して、監査業務の一部を委託するのです。
一部を委託といっても、監査法人時代にやっていたことと同じことをやるだけですので、それまでの経験があれば特に難しいものではありません。
むしろ人によっては、リスクの小さい科目を割り当てられる等、監査法人時代よりも負担が小さくなることもあるようです。
退職時の職階や法人によっても異なるようですが、5,000円/時〜と一般的なアルバイトでは考えられないような破格の時給となっています。

税理士やコンサルで独立する人であっても、独立当初の不安定な時期に、この業務委託制度を利用する会計士も多いようです。



他にもCFOとしてベンチャー企業等で会社経営に参画する、受験予備校等で講師として勤めるという業務もありますが、独立(雇われない)という意味で扱いませんでした(業務受託のような形もあるかもしれませんが)。

いずれにしても、会計士という資格を活かして、独立してもさまざまな業務をやっていくことができます!